次世代エネルギー アンモニア

アンモニアがカーボンニュートラルに貢献する理由

刺激臭とフラスコの赤というかピンクの噴水実験が有名なアンモニア。

アンモニア(NH3)は、水素(H2)と窒素(N2)から構成されており、燃焼しても二酸化炭素(CO2)を排出しないため、カーボンニュートラルな燃料として注目されている。

  1. CO2排出ゼロ燃料としての利用:
    • アンモニアを燃料として利用する際にはCO2を排出せず、水と窒素のみ生成。環境に良さそうだ。
  2. 水素キャリアとしての役割:
    • 水素は取り扱いが難しく、貯蔵・輸送に課題がありますが、アンモニアは液体状態で輸送が可能で、水素を効率的に貯蔵できる。水素も注目されている。
  3. 再生可能エネルギーとの親和性:
    • 余剰の再生可能エネルギーを利用してグリーンアンモニアを製造することで、エネルギーの貯蔵手段として活用可能。

アンモニア利用の課題

  1. 燃焼時の窒素酸化物(NOx)排出:
    • アンモニア燃焼時に発生するNOxは、大気汚染の原因となるため、適切な対策が必要。人体への悪影響もある。
  2. 腐食性と取り扱いのリスク:
    • アンモニアは腐食性があり、漏洩した場合には有毒ガスとして人体に危険を及ぼす可能性がある。また、何かあった時の刺激臭は凄そう。
  3. 経済性の課題:
    • 現在のアンモニア製造には大量の化石燃料が使用されており、完全なカーボンニュートラル化にはさらなる技術開発が必要。まだ生成するのにそれなりのエネルギーが必要だけど、少しずつ、その課題も克服してきている。

これからの生活への影響

発電所への導入

・石炭、バイオマス混焼には今後もあらゆる面で注目。どうなる?

船舶燃料としての利用

・アンモニアを使用した船舶の商用化。日本郵船が最近世界で初めて商用運航し、温室効果ガスの排出がほぼなくなった。商船三井も大型タンカーを整備する

今後代替燃料を使用した船舶の開発がさらに進む。

産業プロセスへの応用

・化学工業や肥料製造などでの利用が増加し、エネルギー転換が図られる。アンモニアを燃焼エネルギーとした炉が増加。

アンモニアの調達

・JERA、三井物産などは、2029年に米ルイジアナ州で世界最大規模のアンモニア工場を稼働すると発表している。

・丸紅はエクソンモービルが米国で進めるアンモニア製造事業に参画すると発表している。2030年度から年25万トンを調達し、全量を神戸製鋼所に供給する

・つばめBHBはアンモニアを既存の製法より低音、低圧、低コストで生成できる設備を実用化しています。